大女優・田中絹代が初めての汚れ役に挑んだ社会派群像ドラマ。終戦直後の荒廃した大阪を舞台に、戦争未亡人の姉と、その妹がたどる波瀾万丈の人生を生々しく描き出す。
監督:溝口健二
出演:田中絹代、高杉早苗、角田富江、永田光男、村田宏寿
・ amazon : 夜の女たち (1948) / Yoru no Onnatachi
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夜の女たち (1948) / Yoru no Onnatachiのあらすじ
敗戦後の大阪の街は、未帰還の夫を待つ大和田和子に冷たかった。今日も、幼児結核のわが子浩に牛乳を飲ませるため着物を売りに行くと、店のおかみは「金が欲しいおまんのやったら……」とめかけをすすめるのだ。看護のかいもなく浩は死んだ。折も折、夫の戦死が戦友平田によって伝えられた。和子は平田の社長栗山の秘書となり、大和田家を出てアパートに住んだ。和子の実妹君島夏子は北朝鮮から引揚げてダンサーをしながら姉を探していたが、偶然心斎橋で出会い姉妹は手を取り合って喜んだ。夏子は姉のアパートに身を寄せた。ところが栗山という男は阿片の密輸入業者で、色魔だった。身をまかせてた女は弱い。和子は栗山のいいなりになっていたが、ある日、夏子と栗山のみだらな姿を見て憤怒の末はヤミの女になって男に復しゅうすることを決心し、今では姉御にまでなっていた。夏子は出奔した姉を探しに夜の心斎橋筋をさまよい歩いている内、ヤミの女の検索に引掛り病院に送られた。「私はそんな女ではない」と叫ぶ彼女に「うるさいね」と怒鳴った女がある。それは和子だった。診断の結果夏子は栗山から性病を移されお腹には彼の子を宿していることが判った。和子は妹を労わり、栗山には見向きもせず婦人ホームに連れて行き安息の日を与えた。人生の苦悩を考えながら夜の街に帰って来た和子は、仲間のヤミの女にいじめられている娘の顔を見て思わず泣き出した。娘は貧乏をきらって家を飛び出した義妹の久美子だった。--世相はきびしく辛いのだ--和子はうるんだひとみで街のネオンを見上げた。
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